竹田 麻里

「まめなお庭プロジェクト」

「まりもり自然農園」園主

私は、ロスジェネ世代と呼ばれ、フリーターでバイトを転々とし、、引きこもりも経験し、現行社会でカテゴライズすれば、「年長パラサイトシングル」。そんな言わば「アウトロー」な自身を少し気楽に捉えられるようになってきた頃、久比三角島に本社を置く「ナオライ株式会社」代表の三宅紘一郎さんと知り合いました。

「自社の畑を見て欲しい」
というオファーと三宅さんの人柄に惹かれるものがあり、2019年の年末、同じ呉市に住居がありながら、生まれて初めて久比地区と三角島を訪ねました。

「誰からも土地からも搾取しない事業を」
というナオライの目指すビジネスモデルに感銘を受け、その後、個人事業主登録し、現在はナオライ株式会社の「自然農パートナー」として事業に関わらせていただいております。

まりもり自然農園
えのきのはたけ郷原市民農園有限責任事業組合

さらに三宅さんが深く関わっておられた、まめなにも参加しました。
それまでの自分は、「起業家」や「経営者」とカテゴライズされる方とは無縁な生活だったのですが、まめなに集う方々とは、肩書きや年齢などは関係なく共感し、話しが弾み、その交流の中で、「社会」の解像度が以前よりずいぶん上がったように感じます。

まめなお庭プロジェクトのこと 

まめなの中では、自分のプロジェクトとして「まめなお庭プロジェクト」を推進しています。
このプロジェクトの目的は、テクノロジーによる自然の機能のデータ化、見える化により、土木の領域をアップデートし、久比三角島の地域に貢献することです。

「現代土木」はコンクリートやアスファルトで造られる一見強靭な道路、波を防ぐ堤防や砂防ダム等々は様々な恩恵をもたらした一方、土砂災害が頻発する昨今では、その想定を超える災害に対して無力さが露呈するばかりか、後処理の大変さなど大きな弊害もあります。

テクノロジーの力を借りながら、自然の持つ力(風、水、土、石、木など)の機能から学び、自然の力を最大限に活かしつつ、自らの五感を蘇らせながらの作業を通し、土木の世界をアップデートしたい。このプロジェクトはそんな想いで始めさせていただきました。

また、プロジェクトを進めるに当たり資金繰りなどを考慮することは、現行の社会の仕組みを知る非常に学びの大きい作業でもあります。

わたしにとってのまめなコモンズ

まめなと関わるようになり、

「一人の百歩より百人の一歩」という言葉を意識する事が増えました。

自身で完結する自給自足の道を目指すこと以上に、各々の不完全ゆえに関係性が生まれ、その関係性が醸成してゆく「相互扶助コミュニティ」が、現在の社会の抱える課題を解決する道筋になるのでは、と。

安心感と共にわくわくする気持ちを抱きました。

まめなと出会った当初、まめな全体を推進していた更科さんから、「麻里さんはご自分のことをどう捉えてるのかは知りませんが、最先端の生き方をされておられると思いますよ。」とお声かけいただきました。

同じく梶岡さんからは、「身体を大切に。気楽にいきましょう。」と、いつも優しいエールをいただきます。

わたしは、人との関わりが得意でないので、対面で長い時間を皆さんと過ごすことは苦痛なのですが、そんな性質もキャラクターの一部として受け入れてもらい配慮していただきながら、コミュニティの一員という立場を担保していただいております。この事は、わたしの「社会的健康」に非常にポジティブに影響しております。

まめなコモンズが、様々なバックグラウンドを持つ方々を包摂しながら久比地区にてじわじわ育ってゆくことで、現行の社会において傷ついた人や土地が回復してゆくのではと、期待と希望を持っています。